【医療業界】におけるネットトラブル
医療業界におけるネットトラブルは大別すると、①従業員や退職者による労働環境に関する投稿、②医療機関に不満を抱いた患者による投稿、③同業者による嫌がらせの投稿に類型化できます。
① 従業員等からの投稿
医療業界の労働環境については、厚生労働省や各種団体からも法整備や是正が求められていますが、人材不足の課題もあって、依然として過酷な労働現場もあるようです。また、「医療」という人の命を預かる専門の分野で、ミスが許されない緊張感から、精神的ストレスを抱えている医療従事者も少なくないと想像されます。このような背景から、従業員が、電子掲示板等に上司や同僚等の悪口を投稿したり、退職者が、「転職会議」や「VORKERS」等の転職支援サイトにネガティブな職場環境の投稿をするといったことが起こり得ます。
応募者が集まらない、内定辞退が相次ぐ、といった兆候があれば疑ってみる必要があります。
② 患者からの投稿
そもそも、患者は何らかの病気や体調不良を訴えて来院しますので、些細な不手際でも気に障りがちです。また、近年では、モンスター患者が増加傾向にあるようです。そうした患者が、「Caloo」や「QLife」といったクチコミサイトや、「GoogleMAP」の口コミに、病院の対応や医師・看護師らの態度等についてネガティブな内容を書き込むことが起こり得ます。
新規の患者が減った、という場合は要注意です。
③ 同業者による投稿
また、件数は少ないかもしれませんが、患者による投稿だと思っていたところ、発信者を特定してみると、同業者による嫌がらせであったという例もあります。
以上のようなネガティブな投稿がなされた場合、投稿内容が真実であれば、先ずは課題と向き合い改善することが先決ですが、投稿されている内容が虚偽であったり、事実を誇張、歪曲したものであったとすれば、削除を請求し、場合によっては投稿者を特定して対処することも検討する必要があります。このような場合には、削除請求に強い弁護士に相談することをお勧め致します。