【介護業界】におけるネットトラブル
介護業界におけるネットトラブルは、大別すると、①従業員や退職者による労働環境に関する投稿、②介護施設の利用者による投稿に類型化できます。
① 従業員等による投稿
高齢者人口の増加に伴い需要が高まる介護業界ですが、一方で介護職員の人材不足という課題も抱えており、残業代の未払いといった問題も少なからず見受けられます。政府は、介護職員を増やすべく、報酬の改定等について徐々に見直す方針のようですが、まだまだ低賃金といった状況は変わらず、離職率も高い業界です。
このような背景から、ストレスを抱えた職員が、電子掲示板に上司や同僚などの悪口を投稿したり、退職者が、「転職会議」、「カイシャの評判」、「VORKERS」といった転職支援サイトに、従前の職場の労働環境面についてネガティブな投稿をすることも起こり得ます。
応募者が集まらない、内定辞退者が相次ぐ、といった兆候があると要注意です。ますます人材が採用できなくなり、労務環境が悪化するという悪循環に陥ります。
② 介護施設の利用者による投稿
入居者やご家族の中には、難しいリクエストをしてくる方がおられます。そのような方々の対応を誤ると、「老人ホームマップ」などのクチコミサイトに、施設の対応や職員の態度等についてネガティブな内容が書き込まれることが起こり得ます。
このような状況を放置しておくと、次第に利用者が減少する事態に陥りかねません。
以上のようなネガティブな投稿がなされた場合、投稿内容が真実であれば、問題点を改善することが先決ですが、投稿されている内容が事実と異なったり、事実を誇張、歪曲したものであったとすれば、削除を請求することも検討する必要があります。また、削除しても再発が危惧される場合には、投稿者を特定する必要もあるでしょう。このような場合には、削除請求に強い弁護士に相談することをお勧め致します。