【飲食業界】におけるネットトラブル
飲食業界におけるネットトラブルは大別すると、①従業員や退職者による労務環境に関する投稿、②飲食客によるネガティブ投稿の類型があります。
① 従業員からの投稿
飲食業界の大きな特徴として、店舗の営業時間が長く、人員不足が慢性化し、労働時間が長くなってしまうことがあります。休日の確保も難しく、年末年始やお盆、GWなどの連休も取れないといった不満も聞かれます。その結果、離職率が高くなり、欠員補充に追われ、研修もほとんどない状況で、従業員はストレスにさらされることになります。
このような背景から、電子掲示板に上司、同僚等の悪口を投稿したり、退職者が、「転職会議」、「VORKERS」といった転職支援サイトに、以前働いていた職場の労働環境面についてのネガティブな投稿することが起こり得ます。
このような状況を放置しておくと、ますます採用ができなくなり、経営環境が悪化するという悪循環に陥ります。
以上のようなネガティブな投稿がなされた場合、投稿内容が真実であれば、問題点を改善することが先決ですが、投稿されている内容が事実と異なったり、事実を誇張、歪曲したものであったとすれば、削除を請求することを検討する必要があります。また、削除しても再発が危惧される場合には、投稿者を特定する必要もあるでしょう。このような場合には、削除請求に強い弁護士に相談することをお勧め致します。
② 飲食客からの投稿
現在は、飲食店を探す際の情報源として、「食べログ」などのクチコミ情報サイトやネ
グルメブログなどを活用するのが当たり前になっており、利用するユーザーにとってはとても便利な時代になっています。
その反面、飲食客が、クチコミサイトに悪評を投稿したり、特定の個人(店長、スタッフ)を攻撃するケースも生じています。個人の評価や感想のような内容は、ネガティブな投稿であったとしても、直ちに削除をすることは難しいかもしれませんが、お店へ不満を持った飲食客が、クレームの方法として、スタッフの容姿や態度などを批判するような投稿も散見されます。このような投稿の中には、プライバシーの侵害、名誉棄損に該当し、削除請求の対象となり得るような投稿も見られますので、お困りの方は、削除請求に強い弁護士に相談してみることをお勧め致します。